電気的除細動を簡単に説明すると、強い電流を極めて短い時間で心臓に加える事によって、バラバラに興奮している心筋細胞を一旦リセットさせ、心臓本来の秩序あるリズムに戻る準備をさせる、という事を行っているのです。
この強い電流の加え方は、これまでに様々な方法が考案されて来ました。
現在の主流は、ニ相性,或いはバイフェージックと呼ばれる方法で、百分の2秒程の間に前半と後半で電流の向きを半転させる方法です。
この方法が主流になるまでは、電流は常に一方向に流れていました。これをモノフェージック、又は単相性と呼びます。この強い電流の加え方は、これまでに様々な方法が考案されて来ました。
バイフェージック波形での電流の大きさ(強さ)と時間の関係をグラフにすると、左図のようになります。
この反転するタイミングや、流す電流の大きさをどうするか等は、各メーカーが凌ぎを削って研究を重ねているところですが、フィジオコントロール社ではアダプティブバイフェージック(ADAPTIV™ Biphasic)と言う独自技術を開発しました。
特徴1患者の胸郭インピーダンスを測定し、その大小に応じて
最適な通電波形を作り出す。
心停止患者の状態はさまざまです。
体(胸郭)に同じ電気パルスを加えてもその流れやすさ(胸郭インピーダンスと呼びます)は右図のように広くばらついています。
胸郭インピーダンスが異なると、同じ電圧を掛けても流れる電流の強さは変わります。
そこで、ADAPTIV バイフェージックテクノロジーはこの胸郭インピーダンスを測定し、この値に基づいて波形の継続時間と加える電圧の大きさをダイナミックにコントロールして最適の通電波形となるように制御しています。
特徴2最大360J迄のフルレンジエネルギー出力
従来のモノフェージック除細動器は、最大360Jの電気ショックエネルギーを出せるようになっていました。
バイフェージック技術が登場すると、多くの除細動器メーカーは、360J迄のエネルギーは不要としてしまいました。バイフェージック波形では除細動効率が良いとされているからです。
フィジオコントロール社では、例え除細動効率の良い二相性波形であっても、最大360J迄のフルレンジでエネルギー出力する能力を持つべきだと主張してきました。
臨床現場で遭遇する心停止の状態はさまざまです。一度除細動に成功した患者でも、再び心室細動に移行することは珍しくなく、その場合には、同じ患者でも除細動するのに必要とするエネルギーが異なることも判ってきています。(Stiell et al, Circulation 2007;115:1511-1517 )
あるエネルギでの除細動がうまくいかなかったら、エネルギを上げてでも早く除細動を成功させる余地を残す方がよい、と言う考え方です。必要とするエネルギーの大きさを決めるのはメーカーではなく臨床の要求だ、と私たちPhysio-Controlは信じています。


































