
AED(自動体外式除細動器)は、心臓に起こる突然のけいれん(心室細動)を電気ショックで回復させる機械です。心室細動がひとたび起こると電気ショックを数分以内に行わないかぎり人は死んでしまうため、AEDはその電気ショックを自動的に行います。医師や看護師でなくても使うことができ、このAEDの登場によって、これまでは救えなかった命を救うことができるようになりました。今、AEDは町のあちこちで見かけられるようになりました。
ショッピング街やホテル、交番や公共の建物、学校など、多くの場所に設置されています。交通機関では駅や新幹線、一部の特急列車などにも乗っています。しかし、病院以外でいち早くAEDを導入したのは日本航空(JAL)でした。まずはAED導入当時のこと、またAEDを使った心肺蘇生(CPR)を含めたファーストエイド訓練について、その監修や指導をご担当されている健康管理部の牧さん、福池さんにお話を伺いました。





- 平成 4年3月 慶應義塾大学医学部卒業
平成18年5月 慶應義塾大学病院救急医学助教・診療科医長 - ■主な資格医学博士、日本救急医学会救急科専門医・指導医、
日本内科学会認定医・総合内科専門医 - ■主な受賞2002年10月 日本救急医学会ファイザー優秀科学論文賞受賞
2004年 2月 第12回日本総合診療医学会・日野原賞受賞 など - ■主な学会活動日本救急医学会(ER検討委員会委員)
日本内科学会(認定医制度審議会専門委員)
American College of Physicians会員(上級会員) など
AEDという言葉を耳にするようになったのは、2000年頃のことだったと思います。米国シカゴのオヘア国際空港ではどこでも3分以内に除細動(電気ショック)が行えるようにAEDが設置されています。この流れに呼応するように国内ではJALがいち早く導入しましたね。
はい。ただ当時は、AEDなんて誰も知りません。一体どういうものなのかという勉強から始めました。当初は国際線を中心に100台ほど搭載したと記憶しています。
導入当初は、たまたま飛行機に乗り合わせた医師の使用が前提で準備されたようですね。
当初は、機内に乗り合わせた医師にどのようにAEDを紹介するかを客室乗務員に教育していました。
その後、客室乗務員にも緊急時の使用が認められましたのでファーストエイド(応急処置)の一環として訓練を始めました。機内で体調を崩されるお客さまは実は多いのですが、すべての客室乗務員が頻繁に遭遇するものでもありませんので、ファーストエイドの知識や技術を訓練しています。
では、訓練の指導者(インストラクター)はどのように確保されたのでしょうか。当時は国内でもAEDやCPRの訓練がさほど注目されていなかったと思います。米国に人材を派遣するなどされたのではないでしょうか。
確かにAEDを導入するということは、機械と一緒に教育や訓練をも導入するということでしたから、米国での教育が必要でした。しかし、現在では客室乗務員として空を飛んでいた者が自身の経験を活かしながら地上で客室乗務員を指導するインストラクターとして活躍しており、自社内でトレーニングが完結できるようになっています。
そもそも客室乗務員の訓練にはCPRを含めた応急処置の訓練が義務付けられているそうです。そこにはAEDを使用する訓練も加えられ、新人でなくても年に1回、いろいろな訓練の復習やアップデートも兼ねたリカレント訓練として、CPRやAEDの訓練が行われています。
では、この訓練は誰が指導するのでしょうか。他の航空会社では外部団体に委託しているところもあるようですが、JALでは自社内でその指導が行われています。しかも医師や看護師のような医療従事者ではなく、客室乗務員が客室乗務員を指導しているのです。

訓練のプログラムも自社で作成されているそうですね。
先ほどのお話にもありましたが、AEDを導入した当初は、そもそも日本にAEDが普及していませんでしたので、訓練のプログラム自体が日本には存在しませんでした。自分たちでやらざるを得なかったわけです。
このような訓練を外部に委託するのではなくて、自社で行うことのメリットとは何でしょう。

それは、自分たちが実際に遭遇するであろう機内特有の状況を想定してプログラムをつくれることでしょうね。新人訓練のプログラムではファーストエイド教育の一環としてスムーズに導入できました。全客室乗務員には年1回行うリカレント訓練に組み込むことができました。
新人訓練では、一つひとつの動きを速く正確に行う練習に力を入れています。リカレント訓練では、CPRの実習とAEDを使ったロールプレイで、実践同様に練習しています。少しでも質の高いCPRができるような実習を心がけ、単なる見学ではない参加型の実習にしています。参加者からは「自信がついた」という声が多く、実際に機内で心停止の事態に遭遇した客室乗務員からは「訓練で習ったことが活きた」「訓練どおりにできた」との評価を得ています。
ケーススタディをもっと採り入れて欲しいという声も多く、リカレント訓練では前回の訓練後に生じた事例を題材にして、迷いを解消する機会にもなっています。
我々医師が市民向けに訓練を行う場合は、誰にでもできるような一般化した指導をしていますが、航空機内という特殊な環境に対応した独自のプログラムがつくられているということですね。
はい。実際に起きた事例をベースにして、同じような状況にも対応できるようなプログラムを組んでいますので、通り一遍の内容ではありません。その根底にあるのは、客室サービスと機内の安全確保という点からお客さまに何ができるかという問いかけを常に行っていることです。
なるほど。この訓練はJALにとって、客室サービスの付加価値ということになりますね。
旅客機内でCPRやAEDが必要になるような心停止の患者が発生することは決して多くはないようです。したがって、このような訓練が本当に役立っているのか?という疑問が生じるかもしれません。しかし、一度離陸した飛行機の中で起こった事態は、飛行機の中だけで解決しなくてはなりません。
そのような最悪の事態をも想定した訓練を受けることに意義があるようです。最悪の事態に対処ができればその他の軽微な事態にも余裕を持って対処できるためです。また、訓練を受けている客室乗務員が飛行機の外で救命活動に貢献したこともあるようです。さまざまなシチュエーションを想定した丁寧な訓練は、社会貢献にもつながっています。ここでは客室乗務員である桑野さんのご経験も交えながら、実際に機内にて行われるファーストエイドについて伺いました。
機内で急病になられる方も少なくはないようですが、どのような症状が多いのですか。
私の経験では、ふらふらと立ち上がって倒れられるというケースが多いですね。私に寄りかかるように倒れられた方や、フーッとしゃがみ込んだ方もいらっしゃいました。
いわゆる失神(脳貧血)ですね。そのときはどうされますか。
「お客さま、大丈夫ですか」とお声がけします。すると皆さん立ち上がろうとされますが、そのまま横になっていただいたり、座っていただくようにしています。
まず、呼びかけて反応の有無を確認し、次に患者を臥位にする。これはCPRの訓練どおりですね。臥位にするのは、様々な急病への最初の対処です。CPRやAEDのトレーニングは、実は発生件数の多い失神などのような急病にも幅広く役立つ訓練だと思います。では、意識がないというときはどうされますか。
お客さまに声をおかけしても反応がないときは、すぐに機内の通信システムを使って、機長を含めたすべての乗務員に状況を説明します。そして、備え付けの医療関連キットの準備を依頼します。お客さまの気道を確保し、呼吸を確認。普段どおりの呼吸を確認できなければ、すぐに胸骨圧迫を始めます。さらにAEDが届いたら、速やかに電源を入れて音声指示に従います。
機内は狭いと思いますが、急病人発生時に何か工夫はされていますか。
確かに狭いのですが、化粧室前や台所などはある程度のスペースが確保されていますので、そちらを活用することが多いですね。実際、狭いところでもきちんと必要な姿勢をとって処置する訓練を受けています。


他にもフライト中は難しい課題が多いでしょうね。
はい。航空機内は特殊な環境です。このような環境でのCPRやAEDを使用することは容易ではありません。また、航空機ならではの制約もあるでしょう。もしものときには、乗務員が役割分担して臨機応変に対処しなくてはなりません。そのためには、基礎となる訓練が欠かせないのです。
具体的には、気圧が低いこと、医療チームではないこと、揺れや傾斜・加速・衝撃等が起こりうることなど、環境としては大変厳しいですね。
航空機ならではの制約という点でいうと、離着陸中は客室乗務員も着席することが義務付けられていますので、その際におけるAED使用については慎重かつ迅速な判断が求められます。
機長了承の下、客室乗務員が連携しています。


その意味で、一人ではないというのは機内ならではの利点ですね。機内の通信システムを使って機長を含むすべての乗務員に知らせることで、的確な役割分担と迅速な対応ができます。
機長はどのような対応をされますか。飛行機の中では機長が最高指揮官とお伺いしています。
機長は、地上の運航支援部門の社員と無線で連絡を取り、お客さまの状況を報告しながら最良の対応方法を検討します。場合によっては、近隣の空港に着陸しなければなりませんが、そのようなときは空港のスタッフに救急車の手配を要請することもあります。さらには、地上の医療従事者と連絡を取り合って、そのアドバイスを受けながら運航することもあります。

他の乗客がすぐ近くにいるというのも機内ならではですね。
はい。AEDの使用については、至近に人がいるので安全な使用を第一に心がけています。そのためには周囲のお客様のご協力が不可欠で、大きな声で状況を伝えること、AEDの音声を復唱することが大切です。
女性のお客さまが倒れられたら、衣服を脱がす際は他のお客さまの目に触れないようにしますし、手の空いている乗務員が周囲のお客さまへの対応を手伝うこともあります。
外国人の乗客の場合はいかがですか。
やはり緊急時における言葉のコミュニケーションは難しいですね。ときに医療用語も混じりますので、辞書を引きつつ、あるいはほかのお客さまのお力をお借りしながらお話しすることもあります。
そういった緊急の対応をしなければならないとき、CPRの訓練を受けているという意識はどう働くのでしょう。
直接の訓練の経験が役立つというよりも、CPRの訓練を受けているという自信に裏打ちされた落ち着いた対処が可能だと思います。

「客室乗務員」はあこがれの職業の一つだと思います。そして、日本の航空会社の機内サービスは「日本人」としての「心」を大切にしていると思います。その「おもてなし」の精神は乗客の健康面にまで及んでいるようです。何気ない動作の一つひとつに心を宿す文化は茶道をはじめとした「道」を大切にする日本ならではといっても過言ではないでしょう。そのような教育を受けている客室乗務員の皆さんのCPRの訓練は見ていてすがすがしいほどのセンスがありました。現在では6名いらっしゃるという日本航空客室乗務員AEDインストラクターのお一人、桑野さんに実際の訓練や、客室乗務員の方々の心構えについて伺いました。

初対面でこのようなことを申し上げるのは失礼かもしれませんが、読者のみなさんのご要望もあるでしょうから、あえて聞かせていただきます。客室乗務員の皆さんはどうしてそんなにおきれいなんですか?(笑)
ありがとうございます。でも、休日にお会いすると私だとおわかりにならないと思いますよ(笑)。普段の顔はやはり違いますし、制服に着替えるとスイッチが入るという感じです。制服姿ですと、お客さまから見られているという意識が強くなりますね。ですから立ち居振る舞いにも気を使うようになります。
皆さんがCPRの訓練をされているところを初めて拝見しました。CPRがとても上手に見えました。いろいろな意味で整っていらっしゃる。どうしてなのかと考えたのですが、それには客室乗務員の皆さんが受ける他のトレーニングの影響もあるのではと思うようになりました。いかがでしょうか。
私たちの受けるトレーニングは、大きく分けるとお客さまへのサービスに関わるものと、機内の安全確保に関わるものの2種類があります。訓練にかける時間もだいたい半々ですね。

他の訓練とCPRの訓練との関わりはあるのでしょうか。例えば、日本には茶道や華道といった所作の訓練があります。このような所作は皆さんの行う機内サービスのコンセプトにも影響していると思います。通じるところがあるのでしょうか。
茶道の心はお食事サービスやおもてなしの心を学ぶ授業にとり入れています。訓練の中には、機内業務の一連の流れを実習するフライトデューティという授業もありまして、そこでもお客さまと接しながらさりげなく体調を気遣うことを指導します。例えば、「お休みいただけましたか」、「ごゆっくりお過ごしでいらっしゃいますか」と話しかけてみるというようなことですね。お客さまの小さな変化に気を配るというのは、とても大切なことですので。
なるほど。茶道でも、稽古を重ねるとお茶がおいしくたてられたり、隙のない動きができるようになるだけでなく、そこに心が宿るというのと同じですね。それから、客室乗務員さんに優しく声をかけられたら、実は注意信号ですね。
いいえ(笑)。ただ、そのような何気ない言葉がけがきっかけでお客さまの体調変化に気がつくこともあります。
われわれ医師や看護師は患者を見た第一印象から状態を読み取ろうとしますが、皆さんも同じことをされているんですね。
はい。乗務員は「気づき」の精神が骨身に染みています。例えばご搭乗時、お客さまを笑顔でお迎えするだけでなく、体調の優れない方はいないか、何かご要望をお持ちの方はいないか、ということにもいち早く気づけるよう気を配りながらお客さまに接しています。
CPRの訓練は一般社会でもリスク管理の一端を担うものです。最近では運転免許の取得や学校の授業などにも組み込まれています。しかし、一般市民の方々でも、医師や看護師であっても、訓練を受ける人に切実な思いがないとなかなか充実した訓練にはなりません。
JALの客室乗務員の皆さんは真摯に訓練されていると思います。航空業界はリスク管理の模範になっている部分が多々ありますが、そのリスク管理にはこのような一人一人の真摯な姿勢の裏付けが必要だと思います。

CPRの訓練についてですが、先ほど茶道という例をお出ししたように、皆さんのトレーニングは実に素晴らしく、一つひとつの所作がとても手際よく行われていたのが印象的でした。
作業を手際よく効率的に行うことと、ささいな所作にもおもてなしの心を込めることはプロとして鍛えられているのかもしれません。また、初顔合わせ同士のメンバーでも最高の仕事ができるコーディネーションについても、客室乗務員が得意とするところといえます。フライト中の限られた時間でも、お一人お一人のお客さまに十分におくつろぎいただきたいという思いは強く、お客さまの体調に異変を感じたときの対処では、乗務員ならではのこうした力が一番発揮される瞬間かもしれません。ファーストエイド訓練からそのようなところを感じていただけたのでしたら嬉しいです。
客室乗務員の方にとっては、人の生命に関わる行為が非常に切実だということですね。ではまだ乗務経験のない新人さんについてはいかがですか。

新人訓練では、ファーストエイドについて17時間を確保しています。サービス訓練は一般的な理論から次第に実践へ進むように構成しており、ファーストエイド訓練についても訓練の後半では乗務開始後に直面すると思われるさまざまな状況を想定してCPRやAEDの訓練を行っています。機内サービスや安全といった、他の訓練と同じ意識でファーストエイドを学ぶことができていると思います。
飛行中は、何があっても機内で完結しなくてはならないという切迫感があると思います。医師のような医療のプロではない皆さんが乗客の生命を救わなくてはならないという状況に対しては、抵抗感や嫌悪感はありませんか。
うーん、どうでしょう。嫌悪感はありませんが、抵抗感についてはまったくないというわけではないかもしれません。やはり医学的な知識はどれだけ吸収しても吸収しきれませんし、これでいいという正解はありません。ただ、私がインストラクターになってみて思うのは、自分は医療のプロではないという負い目があるからこそ、逆に絶対に間違ったことは教えられないという緊張感がありますし、指導力を高めたいという思いにもつながっています。
実際のCPRの場面では怖いと思うことはあるのでしょうか。
新人の場合は、多少なりともあるでしょう。けれど、それもきちんと乗り越えなくてはなりませんし、飛行機は何かあっても簡単には着陸できませんから、常に緊急事態に備えるという緊張感が身についてきます。最終的には、JALをお選びくださったお客さまのために精一杯を尽くしたいという強い思いで皆乗り越えていると思います。
今回の取材で驚嘆したことはCPRの訓練の必須要素がそろっていたことでした。まず、訓練を受ける側に良い意味での緊張感があること。そして、訓練の基礎となるようなきびきびとした無駄のない動作ができていること。このような姿勢があってはじめて訓練を受け入れる器が出来上がるのではないかと思います。そして、訓練はその人のニーズにあっていること。せっかく受け入れる器ができていても、その器の形と違ったものは入れられません。
さらに、訓練で指導する側が訓練を受ける側でもあること。これで訓練や人材が再生産されます。もしも再生産ができなかったらその訓練や人材は「絶滅危惧種」になってしまうでしょう。また、こうした訓練を繰り返して行うこと。CPRを行う機会はめったに遭遇しませんが、だからこそ日ごろからの訓練が必要です。避難訓練や消火訓練などと同じです。JALではこのようなCPRの訓練の必須要素がすべてそろっていたように思います。

訓練を受ける場合と、インストラクターとして指導する側とで、意識は違いますか。
教わる立場のときは少しでも多くのことを吸収しよう、疑問はなるべく解消しようという思いがありました。指導する立場になってからは間違ったことは教えたくない、背景も含めてできるだけ正確に伝えたいという使命感を抱くようになりました。もし受講者が間違ったことをしているのに、インストラクターがそれを指摘しなかったら、お客さまにご迷惑をおかけしてしまうことになります。また間違いを指摘するときには、「なぜ」なのかという理由を伝えることがとても大切だと思っています。背景を理解できていれば、機内でも応用がききますから。訓練に参加する受講者も、すぐにでも使うかもしれない知識の訓練ですから、きちんと指摘してほしいという緊張感を持って臨んでいると感じます。
それは機内サービスなどの訓練だけでなくて、CPRの訓練についても同じですか。
はい、同じです。
CPRの訓練では、医師や看護師でも筋のいい人はどんどんうまくなっていくし、そうでない人はなかなかうまくならない。千差万別です。そのあたりはいかがですか。
リカレント訓練受講者は1年間のブランクがあって、必ずしも全員、すぐ的確にできるわけではありません。けれどちょっとポイントをつかめば、すぐに元に戻るようです。その意味ではチームの仲間が声をかけることは大切です。リカレント訓練でも他チームの訓練を観察してもらい、気づいたことをお互いに指摘し合えるようにしています。実はこれは機内でも同じでして、CPRは3人で行うというのを原則にしておりますが、実際には誰でもすぐに交代できるよう、チーム全員が当事者意識を持って臨んでいます。また、リカレント訓練を受ける時期は乗務員によって異なりますので、チームとしてCPRに取り組むことが大切ではないでしょうか。
なるほど。人によってトレーニングを受けてからの期間がバラバラだけれど、チームで取り組むことでその差を埋めることができるわけですね。1人が同じことを繰り返してレベルアップを図るのも大切ですが、チームという発想で取り組むのは非常に意義深いことと思います。


実際の事例でも、機内でCPRを行った際に他の乗務員がスムーズに業務分担したり、積極的に手を貸してくれたという報告書が多数上がっています。チームで行うという意識はしっかり定着しているようです。
最後に今後の展開についてはいかがですか。
私たちに求められるサービスの内容、質は日々進化していますが、お客さまにおくつろぎいただきたいという私たちの根本的な気持ちに変わりはありません。ファーストエイドについても、その普遍的な思いの中でとにかく基本に忠実でいたいと思っています。
他社と違ってJALは自社でトレーニングをしている。しかも医療従事者ではなくて、客室乗務員の方がそれぞれの経験に基づいて繰り返しトレーニングしていらっしゃる。ということは、自分たちの遭遇する状況に即した訓練ができるし、さらに教わった人が次に指導する側に回るという循環によって人材と訓練とが再生産されていることになります。私は、これは大いに誇っていいことだと思います。
ありがとうございます。これからも訓練に力を入れ、さらにファーストエイドの質も高めていきたいと思います。
JALの行っているCPRの訓練の詳細について、私は寡聞にして知りませんでした。が、取材を通じて教わることはとても多く、感激しました。なかでも特筆すべきは、非医療従事者である客室乗務員が客室乗務員の指導を行っていることです。人材と指導内容とが再生産されているのです。もしも訓練をアウトソ-シングすれば、JALは永遠に指導を受ける側にとどまり、主体的な経験の蓄積が行われません。もしも医療従事者が指導を行えば、客室乗務員の「心」が置き去りになるでしょう。しかし、JALは違いました。客室乗務員がその「誇り」と「心」を持ってその「道」のプロとして指導をしています。様々な訓練から培われた所作を活かして訓練が行われているのです。まさしくそこには文化がありました。これまで培われてきたJALの文化、悲劇も刻まれたが故の切実さをも含んでいるのでしょう。ここ数年、新聞やニュースで報道されることの多いJAL。が、どうか、この貴重な文化を大切にしてほしいと思います。我々は飛行機に乗るとき、とかく安い運賃や特典を求めがちです。しかし、エアラインの選択にあたっては、このような目に見えない付加価値にも思いを寄せて欲しいと強く思うようになりました。かく言う私も青い翼を多用していました。でも、今後は赤い翼も応援してゆこうと思います。
- ■JALの安全への取り組みについては以下も参照ください
- http://www.jal.com/ja/safety/
- ■JALプライオリティ・ゲストサポートのページでは、安心・快適な旅のために機内における健康面でのアドバイスを紹介しています
- http://www.jal.co.jp/jalpri/


![AEDのパイオニア[PHYSIO CONTROL]](/img/common/headLogo.jpg)

































